ぎらぎらと
光の矢を射る夏の陽を
つらぬいて
一矢(いっし)を報いる
飛行機雲
つかんだら
離さない
君の夢
あきらめずに
くじけずに
移りゆく
季節の中に
身をゆだね
命つらねて飛ぶ
秋あかね
(2003年9月 いわき歌会 1席)
無力さに
唇かんで
大地にも
人の心にも
爪立てる嵐
散歩する
母と子の
まわりにも
赤や黄色の
秋が降る